秋の虫と日本人の心
2015.10.15
10月も半ばに入り、平年よりは少し遅く富士山の初冠雪が観測されました。
二十四節季委では「寒露(かんろ)」に入り、朝晩は冷え込むようになりました。
そのおかげで、澄んだ空気が秋空をより美しく、夜空の月はますます輝きを増しています。
さて、先月から夜を賑わしている「秋の虫」たち。
そんな「秋の虫」を少し紹介します。
写真の中に秋の虫が潜んでいます。
見つかりますか?
なかなか難しいですね!
正解は↓
正体は「アオマツムシ」
都心でも街路樹の枝先で、賑やかに鳴いています。
伊豆高原学園やその周辺でも「リュ~リュ~」と、とっても大きな鳴き声で大合唱。
続いて「ウマオイ」
「スィ~ッチョ、スィ~ッチョ」とわかりやすい鳴き声です。
秋の虫の鳴き声で、秋の深まりを感じます。
しかし、そんな昆虫の鳴き声を聞き分け、季節を感じる人種は世界でも稀で
その中でも「日本人」は、昔から自然と共に暮らしていたことから、
自然の変化から季節の変わり目を感じ、畑仕事や暮らしに役立てていました。
七十二候(しちじゅうにこう)と言う日本の暦があります。
来週は「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」(10/19~23)という季節に入ります。
「戸口でキリギリスが鳴く頃」という意味。ここで言う「蟋蟀(きりぎりす)」は
「ツヅレサセコウロギ」と言うコウロギの仲間のことをさしているといわれています。
(昔は秋に鳴く虫を「きりぎりす」とまとめて呼んでいたのでしょう。)
自然に目や耳を傾けて、季節の移ろいを感じる「感性」を持つ、私たち日本人。
これからも、そんな日本人の「心」を大切にしたいですね。
笠倉